顧客満足度は最後の瞬間で決まる!?
あなたのビジネスにおいて、顧客満足度をアップさせる鍵が「最後の瞬間」にあると考えると興味をひかれませんか?
昭和女子大学の藤島喜嗣先生の論文「結末情報の付加が幸福度判断に及ぼす影響― 異なる要因配置によるDiener, Wirtz, & Oishi(2001)の追試 ―」では、出来事の結末情報が、その過程における幸福度判断にどう影響するかを検証しています。
研究では、ある出来事の途中の状況のみを提示されたグループと、それに加えてポジティブまたはネガティブな結末情報(ある出来事が最終的にどのような結果になったかという情報)を提示されたグループで、出来事の最中の幸福度評価(ある経験や状況に対して、個人がどれくらい幸せを感じたかを評価すること)を比較しました。
その結果、ポジティブな結末を知らされると、出来事の最中の幸福度評価も高まり、逆にネガティブな結末では低下する傾向が明らかになりました。つまり、後から知った結末が、過去の体験の印象を遡って変化させるのです。
これは、最終的な結果が良いものであれば、途中の苦労や不快感さえも肯定的に捉え直される心理作用を示唆しています。
実務への応用
この知見は、ビジネスの現場でどのように活かせるのでしょうか。
1. 顧客体験の「終わり」をデザインする
顧客がサービスや商品を利用する際、最後の接点が非常に重要です。
例えば、レストランで多少待たされても、会計時に心のこもった挨拶や小さなデザートがあれば、全体の印象は格段に良くなります。
ECサイトでは、商品到着後の丁寧なフォローアップメールや、期待を少し超える梱包で、購入体験全体の満足度を高めることができます。
2. 社員エンゲージメント向上への応用
困難なプロジェクトでも、完了後にその成果と貢献を明確に伝え、成功を祝う場を設けることで、社員は過程の苦労を乗り越えた達成感として肯定的に記憶しやすくなります。これにより、次へのモチベーション向上に繋がります。
顧客や従業員に対して、意図的にポジティブな「結末」を設計し提示することは、全体の体験価値を高め、長期的な関係構築において極めて有効な戦略と言えるでしょう。
