やさしいビジネススクールの山下です。
やさしいビジネススクールで新規事業開発をはじめ、さまざまな職務に携わりながら、夕方からは社会人大学院生として、授業に行き、研究に取り組む生活をしています。
最近、大変興味深い論文に出会いました。
機関投資家の制度的背景と企業のESG活動:クロスカントリー分析【組織科学】https://www.jstage.jst.go.jp/article/gendaifinance/46/0/46_460002/_article/-char/ja
アメリカ、日本、フランス、ドイツ、イギリスという主要5か国の企業を対象に、各企業に投資している機関投資家の所在地(85か国)の法律や制度を調べ、ESG投資が企業のESG活動に与える影響を分析したというものです。
分析の結果、以下のことが分かりました。
①シビルロー(大陸法)という法体系を持つ国(主にフランス、ドイツ、日本など)に拠点を置く機関投資家は、投資先の企業の環境や社会への配慮を促す傾向がある。
②コモンロー(英米法)という法体系を持つ国(主にイギリス、アメリカ、カナダなど)に拠点を置く機関投資家に、そのような傾向は見られない。
この論文は、私たちの経営にどのように生かすかを考える大変大きなヒントになりました。
以下ではその考え方をお伝えします。
法制度と“ビジネス”に変換する
考え方の基本|抽象化する
まず、どの論文でもそうですが、自分事に置き換える、置き換えられるポイントを探すということです。
たとえば当社は「日本」でビジネスをしているので日本について考える。
大陸法である日本は、企業の環境や社会への配慮を促す傾向があるということをもう少し抽象化すると、「国や政府の近くでビジネスをすることで、うまくいく可能性が高まりやすい」ということです。
それはなぜか?
「大陸法では、ルール作りが先行し、それに伴って産業が拡大する」という歴史が示しています。
この点をYouTubeで、アメリカとの対比を用いてわかりやすく解説しています。
YouTube中川先生のやさしいビジネス研究 【論文ニュース】国の法制度が経営に及ぼす影響〜大陸法と英国法の違い〜 経営学の研究論文紹介!(3分12秒より)

自社に適合|具体化する
では、当社をはじめとする社会人教育事業者は、大陸法型をどう捉えるべきでしょうか?
一つは「国家資格」です。
ビジネスに関わる国家資格と言えば、たとえば中小企業診断士や、国家資格キャリアコンサルタントがありますね。これらの資格に、しっかりと認めていただけるような講座を実現していくということです。
特に昨今、「リスキリング」や「キャリア形成」といった文脈で語られる社会課題に対し、国が認めた資格を通じてアプローチすることは、日本独自の社会・制度的背景を活かした戦略となるのです。あるいは、当社が資格を作り、資格の担い手になっていくという道もあります。
たとえば、厚生労働省には団体等検定制度というものがあり、厚生労働省の認定を取得した検定を作成することができます。
参考:令和7年度第4回「団体等検定制度についての出張相談会」を開催します
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_69571.html
このように、論文内容を自分事に置き換えて、あるいは一段抽象化して捉え、それをまた具体化して自社に落とし込むことで、ビジネスや仕事の幅は、飛躍的に広く、また面白いものになると思います。
(やさしいビジネススクール 山下浩輝)
